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研究会会員からの様々な情報提供です。これもデータとしては、少々古いのですが・・・。


大道友之:

 いま「ロンドン・ブリッジ 聖なる橋の2000年」出口保夫著(朝日イブニングニュース社刊、1984)を読んでいます。 ローマ時代から現代に至るロンドン橋の歴史が語られていますが、改めて、ロンドン橋というマザーグースの背景に広がる歴史と ロマンに驚かされています。

 先日送られてきた筑摩書房英Iの教科書Racoon Iでは、Lesson 3でマザーグースを取り上げています。 タイトルは、Rhythm in English: Mother Goose。本格的に取り上げているのは、他に三省堂の教科書だけですが、 私が授業で教え始めた頃と隔世の感があります。

(会報No.24. 1990.6 より)


那須野玲子:

7月下旬,伊勢丹美術館でグランマ・モ−ゼス展を見ました。Anna M.R.Mosesは70才を過ぎてから絵を描きはじめ, なくなった101才まで,彼女が一生を過ごしたニューヨーク州の農村を舞台に,四季折々の自然と, その中に溶け込んだ農村の人々の生活を,温かく,細やかに,素朴に描き続けました。

80点の展示品の中に,"Mary and the Little Lamb","Little Boy Blue"という題の2枚の絵を見つけましたので,お伝えします。

煉瓦作りの小さな村の学校に,子供たちが三々五々登校したり遊んだりしています。淡いピンクの服にボンネットを被った メリーが,右手の野道を学校へと歩いてきます。その後ろに真っ白い子羊が従っているのです。

もう一枚は,広々とした風景の中で,幾つもできている干し草の山に,青い服の男の子が手足を伸ばして眠りこけており, 角笛が転がっています。少しはなれた草原には,白い羊の姿が点々と見え,トウモロコシ畠に入り込んでしまった牛たちを 追い払っている人の姿も見え,まさに歌の通りなのです。

これらは,恐らくモ−ゼスが,子供の頃から慣れ親しんだマザーグースの唄をイメージしながら創作したのでしょう。 また,他の作品と同じように,自分の回りの農村風景,日常生活の一コマでもあったのかもしれません。

因みに,Mary Had a Little Lambの歌は,ヘイル夫人が1830年代初期に発表したアメリカ生まれの歌です。 また,グランマ・モ−ゼスは1860年生まれ。この2枚の作品は,1947年に描かれています。

(会報No.26. 1990.8 より)


岩田洋子:

   「 ポエム 夢 二夜」

コミュニケ−ション
ハンプディ・ダンプティが
なぜ 塀の上に のっかっていたのか
知っていますか

塀の上だと
ほら あなたの目の高さと
同じになれるから

フライ・アップ
ハンプティ・ダンプティが
塀から 落っこちたこと
知っていますか

自分のからを
自分で割るって
ちょっと 工夫がいるんですね (フライ・アップ=巣立ち)

編集部に一冊「海のトランク」(「こうべ」の会・編)を送っていただきました。ここに岩田さんの詩2編を転載しました。

(会報No.27. 1990.9 より)


弘山貞夫 :

マザーグースの授業

高校一年の英語の授業で,毎週ひとつずつマザーグースを,"Father Goose"というプリントに載せて紹介しています。
絵本やテープを使って,実際にマザーグースがどんなものか見たり聞いたりできるように工夫しています。
2学期中間試験後に扱ったのは,4編。それを試験にだし,合わせて自分が一番気にいったマザーグースの感想を書いてもらいました。
その中から一部紹介します。

1.Pussy Cat, Pussy Cat

●ネコが野良猫にしろ飼い猫にしろ,ふと女王様の住んでいるお城にいって,椅子の下のねずみを取るのは,親しみが湧きます。

●猫がとっても可愛らしいマザーグースだなあと思いました。動物の出てくるマザーグースが私はすごく好きです。

2.Wee Willie Winkie

●とても夢のある歌だなあと思いました。町を駆け回る妖精が本当にいるなら,是非私の家にもきて欲しいです。

●イギリスでは子供たちは8時に寝るのが,信じられなかった。眠りの妖精が町を駆け回って寝なさいなんて,何かかわいい。

3.Pease Porridge Hot

●小さい頃によく手遊びをしたなと思って,少し懐かしい気がした。単純だけど,楽しかった。また,授業中にやりたい。

●二人一組みになって音楽にのって遊べるし,いつやってもあきない。やっていて楽しい気分になれて面白い。

4.Georgie Porgie

●男の子が女の子をいじめて,泣かせてしまうというのは,これは男の子は女の子に気があるのかなぁと,思いました。

●この歌はこわい歌だけど,女の子に男の子がキスをする話で,私は一度もまだそんな経験がない。逃げなくてもいいのに・・・。

いくつか試験の答案から拾っただけですが,生徒の反応は伝わったと思います。一時間のほんの10分程度しか使えず, 十分理解できたとは言えませんが,4月から始め段々マザーグースに馴染んできた生徒が増えてきました。

上の4つのマザーグースのうち,特に“Pease Porridge Hot"は,実際に手遊び歌をやってみました。 ラボ教育センターから出ている「マザーグース遊ぶ本」にあった遊び方のイラストをプリントし,付属のテープを聞かせました。 だんだん速くなってゆくところが,面白く,クラスの全員が女子なので,恥ずかしがるということもなく,また, 同じような遊びをやった経験があるせいか,すぐ覚えてしまいました。AETであるイギリス人のロザリンドさんがきた日には, 彼女と私がデモンストレーションをやって教えました。

これからも,少しずつマザーグースを扱ってゆきたいと考えています。会員の方で,授業や教室での実践を, お聞かせいただけたら有り難い。ぜひ,交流をしたいものです。

(会報No.30. 1990.12 より)


若林節子:

「オレンジとレモン」の教会は?

“ロンドンの鐘づくし”ともいうべき「オレンジとレモン」に関係がある面白い解説を見つけましたので,お届けします。

ロンドンには,聖クレメンテ[クレメンス]を記念して立てられた教会が 3つあるようです。右の引用(※割愛)は,3つ の教会の内,ストランド街にあるSt. Clement Danesという教会についての 解説の1部分です。

「オレンジとレモン」に歌われてい るのは,どの聖クレメンテ教会かという事をめぐって,St. Clement Danes とSt. Clement's, Eastcheapとの間で ,いわゆる‘本家争い’が行われていることは,オピ−夫妻のThe Oxford Dictionary of Nursery Rhymes (p.339)に詳しく述べられています。

その中で,St. Clement Danes側が ,激しい宣伝活動をしていると言って いますが,先の引用文に出ているような, この教会の鐘の音が「オレンジと レモン」のメロディーであるとか,年 に一度の特別礼拝の後, St. Clement Danes Primary Schoolの子供たちにオレンジとレモンを一つずつ上げる,などというのは そうした宣伝活動の一端ではないかと想像します。

オピー夫妻によると,この歌には,

Oranges and lemons,

Says the bells of St. Clement's.

の2行が出てさえ来ない異形があるそうですから,どの教会かにこだわることは余り意味のないことかもしれません...。

ロンドンを訪れる機会があれば,特別礼拝(3月31日)に出席して,10個の鐘が奏でる「オレンジとレモン」のメロディーを 聞いてみたいものです。

(会報No.33. 1991.3 より)

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高橋正人:

前回の会報には,“bricks and mortar"の用例を出しました。その際,rhyming slangとしては“daughter"を さすそうです,と書きましたが,その参照した辞書を見ていましたら,そのほかにもマザーグースに関連するものを数個見つけました。 見落としのあることは覚悟で,以下に報告します。

  • Bo-Peep=sleep (Little Bo-Peepも同じ)
  • bricks and mortar = daughter
  • dickory dock = clock
  • ding dong = song
  • ding dong bell = hell
  • hey-diddle-diddle = fiddle
  • hickory dock = clock
  • hot-cross bun = on the run
  • Jack and Jill = till hill bill
  • Jack Sprat = fat brat
  • Mother Hubbard = cupboard
  • old King Cole = the dole
  • peas in the pot = hot
  • rub-a-dub-dub = club pub sub
  • Simple Simon = a diamond

(Julian Franklyn, A Dictionary of Rhyming Slang, 1979, 1960, London:RKP)

(会報No.35. 1991.5 より)


藤野紀男:

パブの名前とマザーグース(1)

"A Dictionary of Pub Names" ( L.Dunkling & G. Wright, Routledge & Kegan Paul,1987 )の中から,マザーグースに由来する,あるいは少なくとも関係ありそうなものを拾ってみた。もっと厚い本を参照すれば,いくらでも見つかるとは思いますが...。

1) "Bobby Shafto" Newcastle-on-Tyne
2) "Bo-Peep" St. Leonards-on-Sea, E. Sussex
3) "Cat and Fiddle" Buxton, Derbyshire; Cheltenham, Gloucestershire
4) "Cock Robin" Sale, Cheshire; Swindon, Swindon, Wiltshire
5) "Crumpled Horn" "Eldene, near Swindon, Wiltshire
6) "Dee Miller" Newton, Lanchashire
7) "Doctor Foster" Chorlton-on-Medlock, near Manchester
8) "Duke of York" Wellingborough, Northamptonshire and elsewhere (More than ten in London)
9) "House That Jack Built" Bristol; Salford, near Manchester; Wolverhampton, Shropshire
10)"Jack and Jill" Coulsdon, Surrey; Clayton, Sussex; Allerton, near Bradford, W. Yorkshire
11)"Jack Horner" or "Little Jack Horner" Darlington, Durham; Stockport, near Manchester
12)"King Coel" Colchester, Essex
13)"Lion and Unicorn" Liverpool; Brighton, East Sussex
14)"Man in the Moon" London; Stevenage, Hertfordshire
15)"Mother Hubbard" Loughton, Essex; Donchaster, S.Yorkshire
16)"Mulberry Bush" Liverpool; Kempston, near Bedford, Bedfordshire
17)"Nut Tree" Murcott, near Bicester, Oxfordshire
18)"Ring o' Roses" Holcombe, near Wells, Somerset
19)"Simple Simon" Emscote, Warwickshire
20)"Upstairs Downstairs" Londonderry, Northern Ireland, and elsewhere
21)"Wee Willie Winkie" Middlesbrough, Cleveland

なお,地名はMichelinの"Motoring Atlas---Great Britain and Ireland(1990)を参照し,確認しましたが, 間違いがないともかぎりません。

(会報No.36. 1991.6 より)


若林節子:

調べ物をしておりましたとき,下記のような面白い詩を見つけました。「あべこべの世界」という題名で「コーラス」つきです。 さて,この詩には何篇のナーサリーライムが,織り込まれているでしょうか。

 WILLIAM BRAIGHTY RANDS
      1823-1882
  Topsyturvey-World
IF the butterfly courted the bee,
And the owl the porcupine;
If churches were built in the sea,
And three times one was nine;
If the pony rode his master,
If the buttercups ate the cows,
If the cat had the dire disaster
To be worried, sir, by the mouse;
If mamma, sir, sold the baby
To a gipsy for half-a-crown;
If a gentleman, sir, was a lady--
The world would be Upside-Down!
If any or all of these wonders
Should ever come about,
I should not consider them blunders,
For I should be Inside-Out!

   Chorus
Ba-ba, black wool,
Have you any sheep?
Yes, sir, a pack-full,
Creep, mouse, creep!
Four-and-twenty little maids
Hanging out the pie,
Out jumped the honey-pot,
Guy Fawkes, Guy!
Cross-latch, cross-latch,
Sit and spin the fire,
When the pie was opened,
The bird was on the brier!

( The Oxford Book of Children's Verse, edited by Iona and Peter Opie, Oxford University Press, 1973, pp.232-3)

(会報No.37. 1991.7 より)


新井淑恵:

"KNOW YOUR ENLGISH"という,英語の語彙や知識を高めるためのペーパーバックに, マザーグースに関する問題が入っていました。(編集部でその本を預かり,ここにその問題を拾ってみました。やはり, 英語の常識になっているんですね。)

1. All children in Britain know the song: Baa, baa, black sheep, have you any

a.wool / b.white sheep / c.friends / d.grass / e.lambs

2. What did Little Bo-peep lose?

a.a keep / b.her sweep / c.a heap / d.her sleep / e.her sheep

3. Finish this line from a well-kwno nursery rhyme: Sing a song of sixpence, a pocket full of

a.corn / b.rye / c.barley / d.wheat / e.oats

4. Where did Humpty Dumpty sit?

a.on a tuffet / b.on top of a hill / c.in a corner / d.on the tree top / e.on a wall

5. a well-know children's rhyme goes: One two, buckle my shoe. Three four,

a.knock at the door / b.fill it with straw / c.let's go to war / d.my foot is sore / e.give me some more

"Know Your English" by Geoffrey Broughton,Huntchinson International

(会報No.38. 1991.8 より)


藤野紀男:

"Never Never Land"のこと

 マザーグースに登場する主人公たちを配置している公園としては,すでにカンザス州インディペンデンスにあるRiverside Park内の"Kiddy Land"(高木誠一郎氏が会報No.17で 紹介)と,サウスダコタ州ラピッドシティーにある"Story Book Island"(小野澄江さんが会報No.36で紹介)が知られています。

この8月にシアトル近郊のシルバデールに住んでいるマーフィー夫妻を尋ねたときに,偶然のことからタコマに"Never Never Land"という公園があることを知ったので,訪れてみました。

Point Defiance Parkから広い公園の一角−−といってもパンフレットによると10エーカーあるとのこと−−にあり, 森林公園の遊歩道の両側に絵本でおなじみの主人公たち(storybookcharacters)を表わす彫像(sculpturedfigerines)が 置かれているわけです。`Little Red Riding Hood',`Hanseland Gretel',`Three Little Pigs'といった童話の主人公たちもいますが, マザーグースの主人公たちのほうが数のうえでは勝っています。マザーグースの主人公たちとしては

`Humpty Dumpty',`Tom,the Piper's Son', `An Old Woman in a Shoe', `Little MissMuffet', `Jack and Jill', `Contrary Mary', `Little Jack Horner', `Mr. and Mrs.Jack Sprat', `Black Sheep', `Mary and her Little Lamb', `Simple Simon', `LittleBo-Peep', `A Pussy in the Well', `Three Little Kittens', `Old Mother Hubbard',`A Crooked Man', `Little Boy Blue'

などがいます。

たしか,モントリオールにも同じような公園があったように記憶していますので,まだまだ他にも‘マザーグースの公園’は たくさんあると思います。

(会報No.39. 1991.9 より)


弘山貞夫:

季刊雑誌「ポルカ」No.6(学習研究社,2月29日発行)の第2特集としてマザーグースが取り上げられました。内容は, 「マザーグースの世界へ」と題して,藤野紀男氏の解説文といくつかのマザーグースの唄。それにイラストレーターである ひらいたかこさんと拙宅でのインタビュー記事など。980円で書店に並べられています。

(会報No.44. 1992.2 より)


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